世界の屋根と呼ばれるチベット高原のさらに奥に、空へ突き刺さるような山がある。
その名はチョモランマ。
日本ではエベレストという名で知られる、世界で最も高い山だ。
中国側から見上げる山頂は、青い空の向こうへ消えてしまいそうなほど遠い。
山の斜面には白い雪と巨大な氷河が広がり、強い風が雪煙を空高く巻き上げている。
周囲には草木の少ない大地と岩山が続き、人の暮らす世界とは違う静けさに包まれている。
あの山の頂上には、何が見えているのだろう。
雲を下に眺め、その向こうまで続くヒマラヤの山並みを見渡せるのだろうか。
もちろん、簡単に近づける場所ではない。
空気は薄く、気温は低く、天候はわずかな時間で大きく変わる。
登るためには、強い体だけではなく、長い準備と経験、そして自然を恐れる心が必要になる。
それでも、一度でいいから見てみたい。
山頂まで登れなくてもいい。
中国側の広い大地に立ち、遠くにそびえる白い頂を、自分の目で見上げてみたい。
写真では伝わらない高さ。
画面には収まらない空の広さ。
風の音しか聞こえない、地球の果てのような静かな景色。
中国で一番高い山というよりも、世界で空に一番近い場所。
そんなチョモランマを眺められる時間が、いつか欲しい。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます
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