2026年6月2日火曜日

白い石の鳥居

白い石の鳥居

白い石の鳥居が、ほしい。

庭に置けるようなものではない。
もちろん、普通の家に置いたら大きすぎる。
たぶん近所の人も驚く。

でも、もしどこかに自分だけの静かな場所があって、
そこに白い石の鳥居が立っていたら、
それだけで空気が変わる気がする。

赤い鳥居も美しい。
神社らしい力強さがある。

けれど、白い石の鳥居には、
また少し違う魅力がある。

派手ではない。
でも、静かに目を引く。

太陽の光を受けたとき、
白い石の表面がほんの少しだけ輝く。

雨の日には、
石がしっとり濡れて、
そこに長い時間が染み込んでいるように見える。

鳥居というものは、
ただの門ではないと思う。

こちら側と、向こう側。
日常と、少し違う世界。

その境目に立っているから、
見ているだけで背筋が少し伸びる。

白い石の鳥居なら、
その境目がもっと静かに見える気がする。

威圧するのではなく、
ただそこに立っている。

来る者を拒まず、
でも軽い気持ちでは通れないような、
不思議な存在感がある。

もし手に入るなら、
海の見える丘に置きたい。

鳥居の向こうには青い海。
上には広い空。
足元には白い石畳。

朝には光が差し込み、
夕方には鳥居の影が長く伸びる。

夜になれば、
月明かりに照らされて、
白い石が少し青く見える。

そんな場所があったら、
何かを願うというより、
ただ静かに立っていたくなる。

白い石の鳥居は、
物として欲しいというより、
その景色ごと欲しいのかもしれない。

忙しい日も、
気持ちが落ち着かない日も、
そこへ行けば少しだけ心が戻ってくる。

鳥居の向こうに、
特別な何かがあるわけではない。

でも、通る前と通った後で、
自分の中の空気が少し変わる。

そんな静かな力を持ったものが、
白い石の鳥居なのだと思う。

あれが欲しい。

白くて、静かで、
古い時間を抱えたような鳥居。

何も語らず、
ただ空と海のあいだに立っている、
白い石の鳥居が欲しい。


ここまで読んでくれて、ありがとうございます

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