白い石の鳥居が、ほしい。
庭に置けるようなものではない。
もちろん、普通の家に置いたら大きすぎる。
たぶん近所の人も驚く。
でも、もしどこかに自分だけの静かな場所があって、
そこに白い石の鳥居が立っていたら、
それだけで空気が変わる気がする。
赤い鳥居も美しい。
神社らしい力強さがある。
けれど、白い石の鳥居には、
また少し違う魅力がある。
派手ではない。
でも、静かに目を引く。
太陽の光を受けたとき、
白い石の表面がほんの少しだけ輝く。
雨の日には、
石がしっとり濡れて、
そこに長い時間が染み込んでいるように見える。
鳥居というものは、
ただの門ではないと思う。
こちら側と、向こう側。
日常と、少し違う世界。
その境目に立っているから、
見ているだけで背筋が少し伸びる。
白い石の鳥居なら、
その境目がもっと静かに見える気がする。
威圧するのではなく、
ただそこに立っている。
来る者を拒まず、
でも軽い気持ちでは通れないような、
不思議な存在感がある。
もし手に入るなら、
海の見える丘に置きたい。
鳥居の向こうには青い海。
上には広い空。
足元には白い石畳。
朝には光が差し込み、
夕方には鳥居の影が長く伸びる。
夜になれば、
月明かりに照らされて、
白い石が少し青く見える。
そんな場所があったら、
何かを願うというより、
ただ静かに立っていたくなる。
白い石の鳥居は、
物として欲しいというより、
その景色ごと欲しいのかもしれない。
忙しい日も、
気持ちが落ち着かない日も、
そこへ行けば少しだけ心が戻ってくる。
鳥居の向こうに、
特別な何かがあるわけではない。
でも、通る前と通った後で、
自分の中の空気が少し変わる。
そんな静かな力を持ったものが、
白い石の鳥居なのだと思う。
あれが欲しい。
白くて、静かで、
古い時間を抱えたような鳥居。
何も語らず、
ただ空と海のあいだに立っている、
白い石の鳥居が欲しい。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます
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