2026年6月1日月曜日

あったら国宝級の机

あったら国宝級の机

机というものは、たいていの場合、ただの道具として見られています。

書くためのもの。

パソコンを置くためのもの。

本を読むためのもの。

ご飯を食べるためのもの。

でも、もしこの世に、置いてあるだけで空気が変わるような机があったらどうでしょう。

それはもう、家具というより宝物です。

部屋の真ん中に一つ置くだけで、そこだけ時間の流れがゆっくりになる。

木目は深く、古い山の記憶を閉じ込めたように美しい。

表面には、光の角度によって雲や波のような模様が浮かび上がる。

引き出しを開けると、古い紙の匂いがして、まだ誰も書いていない物語が眠っていそうな気がする。

そんな机があったら、たぶん普通には使えません。

傷をつけるのが怖くて、コップも置けないかもしれません。

パソコンを置くのも少しためらう。

ノートを広げるだけでも、なぜか背筋が伸びる。

けれど、その机の前に座るだけで、少しだけ自分が賢くなったような気がする。

ただの落書きでも、何か大事な言葉を書いているような気分になる。

普段ならすぐに忘れてしまう考えも、その机の上なら、ちゃんと形になって残りそうです。

国宝級の机とは、きっと高い材料で作られた机だけではありません。

長い年月を越えても、そこに座る人の心を静かに整えてくれる机。

何かを書きたくなる机。

誰かに手紙を送りたくなる机。

まだ見ぬ未来の自分と向き合いたくなる机。

そんな机こそ、本当に国宝級なのかもしれません。

もし家にそんな机があったら、毎日は少し変わる気がします。

何気なく過ぎていく時間の中に、小さな儀式のようなものが生まれる。

朝にお茶を置いて、少しだけ考える。

夜に明かりをつけて、今日あったことを書いてみる。

疲れた日は、何もせずにただ木目を眺める。

それだけでも、心の中のざわざわが少し静かになりそうです。

あったら国宝級の机。

それは、豪華すぎる机ではなく、そこに座る人の時間まで美しくしてくれる机。

そんな机があったら、たぶん一生大事にしたくなります。

そしていつか、誰かがその机を見て言うのです。

これはただの机じゃない。

ここには、誰かが静かに生きた時間が残っている、と。


ここまで読んでくれて、ありがとうございます

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