机というものは、たいていの場合、ただの道具として見られています。
書くためのもの。
パソコンを置くためのもの。
本を読むためのもの。
ご飯を食べるためのもの。
でも、もしこの世に、置いてあるだけで空気が変わるような机があったらどうでしょう。
それはもう、家具というより宝物です。
部屋の真ん中に一つ置くだけで、そこだけ時間の流れがゆっくりになる。
木目は深く、古い山の記憶を閉じ込めたように美しい。
表面には、光の角度によって雲や波のような模様が浮かび上がる。
引き出しを開けると、古い紙の匂いがして、まだ誰も書いていない物語が眠っていそうな気がする。
そんな机があったら、たぶん普通には使えません。
傷をつけるのが怖くて、コップも置けないかもしれません。
パソコンを置くのも少しためらう。
ノートを広げるだけでも、なぜか背筋が伸びる。
けれど、その机の前に座るだけで、少しだけ自分が賢くなったような気がする。
ただの落書きでも、何か大事な言葉を書いているような気分になる。
普段ならすぐに忘れてしまう考えも、その机の上なら、ちゃんと形になって残りそうです。
国宝級の机とは、きっと高い材料で作られた机だけではありません。
長い年月を越えても、そこに座る人の心を静かに整えてくれる机。
何かを書きたくなる机。
誰かに手紙を送りたくなる机。
まだ見ぬ未来の自分と向き合いたくなる机。
そんな机こそ、本当に国宝級なのかもしれません。
もし家にそんな机があったら、毎日は少し変わる気がします。
何気なく過ぎていく時間の中に、小さな儀式のようなものが生まれる。
朝にお茶を置いて、少しだけ考える。
夜に明かりをつけて、今日あったことを書いてみる。
疲れた日は、何もせずにただ木目を眺める。
それだけでも、心の中のざわざわが少し静かになりそうです。
あったら国宝級の机。
それは、豪華すぎる机ではなく、そこに座る人の時間まで美しくしてくれる机。
そんな机があったら、たぶん一生大事にしたくなります。
そしていつか、誰かがその机を見て言うのです。
これはただの机じゃない。
ここには、誰かが静かに生きた時間が残っている、と。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます
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