2026年6月5日金曜日
あったら国宝級の太鼓
もしも、この世に一本だけ、
国宝級の太鼓があるとしたら。
それはきっと、
ただ大きな音が鳴るだけの太鼓ではないと思います。
叩いた瞬間、
空気が震えて、
部屋の中にある時間まで、
少しだけ揺れるような太鼓。
木の胴には、
長い年月を生きてきたような深い色があり、
表面には細かな木目が静かに浮かんでいる。
金色の飾りは派手すぎず、
でも光が当たると、
まるで神社の奥に眠っていた宝物みたいに、
そっと輝く。
太鼓の皮は美しく張られていて、
そこには使い込まれた力強さと、
誰にも簡単には触れられない神聖さがある。
もしその太鼓を一度だけ叩けるなら、
どんな音が鳴るのだろう。
ドン、という一音だけで、
山の霧が動き、
遠くの空に鳥が飛び立ち、
心の奥に眠っていたものまで目を覚ます。
そんな音かもしれません。
昔の祭り。
夜の神社。
赤い灯り。
人の祈り。
何百年も続いてきた願い。
その全部を、
太鼓の中に閉じ込めたような一品。
あったら欲しい。
でも、家に置くには大きすぎる。
そしてたぶん、
気軽に叩けるものでもない。
だからこそ、
あったら国宝級なのだと思います。
ただの楽器ではなく、
音を鳴らす宝物。
一度でいいから、
その太鼓の前に立って、
静かに深呼吸してみたい。
そして、
たった一音だけ、
心に響く音を聞いてみたいです。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます
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