もしも、4次元の世界を見ることができたなら。
そこには、私たちが普段見ている景色とはまったく違うものが広がっているのかもしれません。
前も後ろも、右も左も、上も下もある世界。
けれど4次元には、そこにもうひとつ、目ではうまく追えない方向があるような気がします。
それは道のようで、時間のようで、記憶の奥へ続く階段のようでもあります。
目の前にある部屋の角が、知らない場所へ静かにつながっている。
閉じたはずの扉の向こうに、昨日の空と明日の街が重なって見える。
机の上に置いたコップの中に、遠い星の光がゆっくり回っている。
そんな世界が本当にあったら、怖いというより、少しだけ不思議で、ずっと見ていたくなる気がします。
4次元の世界では、一本道だと思っていた人生も、実は何本もの線が重なっているのかもしれません。
あのとき選ばなかった道。
言えなかった言葉。
戻れないと思っていた景色。
それらが消えずに、どこか別の角度から見える場所に残っている。
私たちには見えないだけで、世界はもっと広く、もっとやわらかく折りたたまれているのかもしれません。
もしも4次元の世界を歩けるなら、私は未来を急いで見に行くより、まずは自分の後ろに続いていた時間を振り返ってみたいです。
小さな後悔も、何気ない一日も、忘れたつもりの景色も、違う角度から見れば、ちゃんと意味のある形をしているのかもしれないからです。
4次元の世界は、遠い宇宙や難しい数式の中だけにあるものではなく、ふとした瞬間の心の中にも少しだけ現れるのかもしれません。
夕方の空を見て、昔のことを思い出すとき。
初めて来た場所なのに、なぜか懐かしく感じるとき。
一枚の絵の中に、物語の前後まで見えてしまうとき。
その瞬間、私たちはほんの少しだけ、4次元の入り口に立っているのかもしれません。
あれが欲しい。
ただの物ではなく、4次元の世界を一度だけのぞける窓が欲しいです。
そこから見える景色は、きっと便利でも、わかりやすくもありません。
でも、今いる世界が少しだけ広く見えて、過去も未来も、今の自分につながっているのだと感じられる。
そんな不思議な窓があったなら、毎日の景色も少し違って見える気がします。
4次元の世界。
それは、目に見えない方向へ広がる、もうひとつの世界。
そしてもしかすると、私たちがまだ気づいていないだけで、今この瞬間のすぐそばにも、静かに重なっているのかもしれません。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます
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