理解力がほしい。
そう思ったのは、
うまく頷けなかった日のこと。
相手の言葉は、
確かに耳に入っているのに、
心の奥まで届かない。
本当は何を言いたかったのか。
その沈黙の意味は何だったのか。
あとになって、
「ああ、そういうことか」と
気づく自分が悔しい。
もっと早く、
もっと深く、
わかれたらいいのに。
理解力がほしい。
それは頭の回転の速さじゃなくて、
たぶん、
立ち止まる力。
すぐに決めつけないこと。
自分の正しさを、
いったん脇に置くこと。
相手の景色を、
想像してみること。
見えない背景や、
言葉にならなかった気持ちを、
そっと拾い上げること。
理解するというのは、
同意することではなく、
寄り添おうとすること。
それでも、
うまくできない日がある。
焦って、
早とちりして、
傷つけてしまう。
そんな夜に思う。
理解力がほしい、と。
本を読んでも、
経験を重ねても、
簡単には手に入らない。
でもきっと、
少しずつ育つもの。
失敗の数だけ、
人の気持ちを想像する力が、
深くなるのかもしれない。
理解力がほしい。
それはきっと、
やさしさがほしい、
ということと同じ。
今日わからなかったことを、
明日はもう少しだけ、
わかろうとする。
その積み重ねが、
いつか誰かを、
救えるかもしれないから。
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