2026年2月28日土曜日

衝動買い未遂日記

今日も私は、危なかった。
ほんの数センチの距離で、理性が崖から落ちかけた。

きっかけは些細だ。
ちょっと疲れていた。
ちょっと頑張った。
「これくらい、いいよね?」という心の声が、いつもより甘かった。

画面の向こうで輝く“あれ”。
限定。
残りわずか。
今だけ。
魔法の言葉が三段重ねでやってくる。

カートに入れる。
ここまではいつもの流れだ。
問題はその先。

指が、決済ボタンの上で止まる。
ほんの数秒。
でもその数秒に、人生の重みを感じるのはなぜだろう。

「本当に必要?」
「明日の私、後悔しない?」
頭の中で、未来の私が腕を組んでいる。
今の私は目をそらす。

一度、ページを閉じる。
深呼吸。
水を飲む。
なぜか急に部屋の掃除を始める。
衝動買い回避の儀式だ。

数分後、もう一度ページを開く。
まだある。
世界は終わっていない。
私が買わなくても、地球は回っている。

そして、そっとカートから削除する。
小さな勝利。
少しの寂しさ。
どちらが本音かは分からない。

衝動買い未遂日記。
今日も私は、何も買わなかった。
でも確実に、何かと戦った。

明日はどうなるか分からない。
ただ一つ言えるのは、
私はわりとギリギリで生きている、ということだ。

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