今日も私は、危なかった。
ほんの数センチの距離で、理性が崖から落ちかけた。
きっかけは些細だ。
ちょっと疲れていた。
ちょっと頑張った。
「これくらい、いいよね?」という心の声が、いつもより甘かった。
画面の向こうで輝く“あれ”。
限定。
残りわずか。
今だけ。
魔法の言葉が三段重ねでやってくる。
カートに入れる。
ここまではいつもの流れだ。
問題はその先。
指が、決済ボタンの上で止まる。
ほんの数秒。
でもその数秒に、人生の重みを感じるのはなぜだろう。
「本当に必要?」
「明日の私、後悔しない?」
頭の中で、未来の私が腕を組んでいる。
今の私は目をそらす。
一度、ページを閉じる。
深呼吸。
水を飲む。
なぜか急に部屋の掃除を始める。
衝動買い回避の儀式だ。
数分後、もう一度ページを開く。
まだある。
世界は終わっていない。
私が買わなくても、地球は回っている。
そして、そっとカートから削除する。
小さな勝利。
少しの寂しさ。
どちらが本音かは分からない。
衝動買い未遂日記。
今日も私は、何も買わなかった。
でも確実に、何かと戦った。
明日はどうなるか分からない。
ただ一つ言えるのは、
私はわりとギリギリで生きている、ということだ。
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