それは確かに、欲しかった。
見た瞬間に「いいな」と思った。
使っている自分も、ちゃんと想像できた。
少しだけ、今より素敵になった私まで思い描いた。
でも。
「それ、必要?」
この一言で、すべてが止まる。
頭の中の音楽がフェードアウトする。
心の中のプレゼン資料が一瞬で真っ白になる。
必要かどうかで言えば、たぶん、なくても生きていける。
今日も昨日も、ちゃんと生活できている。
代わりになるものも、探せばきっとある。
だから私は黙る。
うまい反論が見つからないからではない。
正直すぎるからだ。
「必要じゃないけど、欲しい」
この言葉は、なんとなく大人として負けた気がする。
でも本音はいつもそこにある。
必要なものだけで生きるなら、人生はずいぶん静かだろう。
でも私たちは、ときどき静かすぎるのが怖い。
だから少しだけ、余計な光が欲しくなる。
合理性は正しい。
効率も大事。
でも、心はたまに無駄を愛してしまう。
必要かと聞かれると黙るしかない。
それでも、黙ったまま画面を閉じる私と、
もう一度こっそり開く私がいる。
たぶん私は今日も、
「必要ではない何か」に少しだけ救われている。
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