2026年2月28日土曜日

必要かと聞かれると黙るしかない

それは確かに、欲しかった。
見た瞬間に「いいな」と思った。
使っている自分も、ちゃんと想像できた。
少しだけ、今より素敵になった私まで思い描いた。

でも。

「それ、必要?」

この一言で、すべてが止まる。
頭の中の音楽がフェードアウトする。
心の中のプレゼン資料が一瞬で真っ白になる。

必要かどうかで言えば、たぶん、なくても生きていける。
今日も昨日も、ちゃんと生活できている。
代わりになるものも、探せばきっとある。

だから私は黙る。
うまい反論が見つからないからではない。
正直すぎるからだ。

「必要じゃないけど、欲しい」
この言葉は、なんとなく大人として負けた気がする。
でも本音はいつもそこにある。

必要なものだけで生きるなら、人生はずいぶん静かだろう。
でも私たちは、ときどき静かすぎるのが怖い。
だから少しだけ、余計な光が欲しくなる。

合理性は正しい。
効率も大事。
でも、心はたまに無駄を愛してしまう。

必要かと聞かれると黙るしかない。
それでも、黙ったまま画面を閉じる私と、
もう一度こっそり開く私がいる。

たぶん私は今日も、
「必要ではない何か」に少しだけ救われている。

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