私は、自分のことをわりと理性的な人間だと思っている。
衝動では動かない。
ちゃんと考える。
比較もする。
レビューも読む。
……そのうえで、買う。
欲しいと思った瞬間から、私の中で会議が始まる。
議題はひとつ。
「どうやって正当化するか」
まずは基本形。
「これは必要経費」
なんの経費かは曖昧だが、言い切ることが大事だ。
次に応用編。
「長く使うならむしろ安い」
まだ使ってもいないのに、もう十年選手の予定である。
さらに高度な技。
「今買わない方が損」
買わなければ出費はゼロという事実は、一旦横に置く。
私は気づいた。
欲しい理由を探しているのではない。
買うための理由を組み立てているのだ。
本当の理由はたぶん単純だ。
「欲しいから」
それだけだと少し子どもっぽい気がして、
私は大人っぽい言葉で包み直す。
投資。
効率。
自己成長。
未来への準備。
こうして完成する、美しい言い訳。
私はそれを胸に、堂々とレジへ向かう。
買う理由を探す天才。
でもたまに思う。
その才能、もう少し別のことに使えないだろうか。
たぶん明日も私は、
新しい理由を発明している。
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