それを見つけた瞬間、思った。
「あ、これだ」
なぜか根拠はないのに、確信だけはある。
これさえあれば、朝はもっと早起きできる。
仕事ははかどる。
部屋は整う。
人生まで整う。
すごいな、“あれ”。
まだ手元にないのに、すでに私を成長させている。
使っている自分を想像する。
少しだけ姿勢が良くなっている。
無駄な時間が減っている。
なぜか余裕の笑みまで浮かべている。
完全に理想の私だ。
でも、うすうす気づいている。
同じようなことを前にも思った。
あのときも「あれ」があれば変わるはずだった。
結果?
部屋のどこかに静かに存在している。
物は悪くない。
たぶん、とても良いものだ。
変わらなかったのは、私のほうだ。
それでもまた思ってしまう。
「今回は違うかもしれない」
人は希望に弱い。
特に、簡単に手に入りそうな希望に。
あれがあれば人生変わる気がする。
たぶん変わらない。
でも、その“変わるかもしれない”という数分間は、確かにワクワクしている。
もしかしたら私は、
人生を変えたいのではなく、
変わる予感を楽しんでいるだけなのかもしれない。
0 件のコメント:
コメントを投稿